皮膚と心のつながり

昨日は、とても良いお話しを伺う機会がありました。

小林照子先生という、美容的生き方を普及していらっしゃる方が尾道で講演をして下さったので、行ってきました。
小林先生は、コーセーで長く働かれ取締役まで務められたという素晴らしい経歴を持っていらっしゃいます。
普通は尾道ではなかなかお話しを聞くこともできないと思いますが、実はプシュティ-の近くにあるChatClubさんというメイクアップスタディオのオーナーさんが
その先生のお弟子さんであり、ぜひ生の先生のお話を尾道の方にも聞いて欲しいと呼んで下さったそうです。そのオーナーさんの妹さんとはもともとの知り合いで、お客様でもあり今回この企画を教えて頂きました。

まず小林先生の年齢にグッと興味をもちました。なぜなら家の父と同い年だからです。父も先生も今年で90歳!
でも、写真で見る先生のお顔はとてもそんなお年には見えません。そして生き生きと輝いていらっしゃいます。
美容家ってお化粧をしっかりしてるイメージが私にはあったのですがごく薄化粧で、ショートヘアでさっぱりした美しさを感じました。
実はきれいだなーとは思っても、あまり濃いメイクアップは少し苦手なイメージがあります。そんな先生のお話をすごく聞いてみたいと思いました。

私たち聴衆の目の前に立ってお話しをしてくれる先生は、着物のようなブルーとイエローの羽織り物をまといインディゴブルーの首元が大きくVにくれたお洋服でした。
デコルテって年齢が現れやすい部分だと思いますが、先生は白くてしわもあるようには見えず、にこやかに普通の声で語りかけてくれました。

「皮膚は脳や心とつながてるから、肌に潤いをあたえると心が朗らかになります。」

ああ、アーユルヴェーダで学んだことと同じ事なんだな、やっぱり肌ってすごいな、と思いました。
小林先生のお話しでは、赤ちゃんがまだ生まれる前の細胞分化の時に皮膚、脳や神経は同じ外胚葉から出来ているということ。
また、知覚神経は手やお顔、舌などに集中しているのでお肌のお手入れには手が良い、また手の指は身体の全ての部分に沿うような形になっている。
私は自分の手と石けんで体中を洗いますよ、と背中に手を回して見せて下さり、お体はとても柔軟でいらっしゃるようでした。

皮膚は排泄器官でもあり、常に汗を分泌したり一番上にある角質層は古くなると剥がれ落ちていく。
与えすぎとなるのは30代前半くらいまでで、それからはしっかりと滋養分を与えて潤いを与えること。
「今日は、とても乾燥してるな。今日はほこりっぽい戸外へ行くな。今日は紫外線を浴びるな。」といつも対策をしてケアすることが大切。
なぜなら、乾燥から老けてゆくから。
ホットタオルを顔に当てて、「ああ、気持ちが良い」と感じること。開いた毛穴に美容液や滋養と滋養と潤いを与えること。
なにも高いものでなくていいのです、自分の肌が「気持ちいいな、スムースだな」と感じる物が一番良い。
先生は外国のモデルの方々のメイクアップもされてこられたそうですが、メイクをする前にホットタオルを使ってお手入れからすると、
「とてもスムースで気持ちが良い。」とほめていただけると話されていました。

アーユルヴェーダでもアヴィヤンガとは「愛情のこもった手」という意味があり、手で肌に触れることは癒やしにつながることを教えてくれます。
それは、自分にとっても手で触れる相手にとってもです。
また、ホットタオルを使用する目的は、もちろん心地良さ、そして温めることで皮膚の毛穴を開いて老廃物を出しやすく、皮膚の毛細血管の流れを良くして血液を巡らせる為というのもアーユルヴェーダのスヴェーダナ、発汗法と同じなのだと思いました。

肌を手入れすることはもちろん外面的な美しさのためもありますが、内面の心のケアにもつながるということを先生のお話とアーユルヴェーダでいままで学んで来たことで再確認できたひとときでした。
自分でも自分の肌に優しく思いやりを込めて触れたいし、お客様のお肌に触れるときにもその感触が与えるものを十分に伝えていきたい、との思いが更に湧いてきました。
なんでも人のお肌に触れることは同じと思いますが、自分のアーユルヴェーダセラピストという仕事って、やっぱり素晴らしいな、と嬉しくなりました。