オイルが与えてくれるもの

「日本も亜熱帯気候になって来たなー」と思うこの頃ですが、みなさまは夏バテなどされていないでしょうか?

アーユルヴェーダサロンPUSHUTIは、尾道の100年以上経つ古民家の自宅サロンで中庭があります。
朝、涼をを求めて中庭に水を撒きますが、午前の施術が終わって中庭に続く掃き出し窓を開け放つと、湿度の高い熱風がむわーっと入ってきて
シダ類や観葉植物が生い茂りプチ熱帯な雰囲気です。

最近、「アーユルヴェーダ体験3点マッサージ」のお客様が何名かいらっしゃって、自分が初めてアーユルヴェーダのオイルの力を感じたときの話をすることがあり、
そのときの感覚を思い出したので今日はそれを書いてみたいと思います。

私が初めてアーユルヴェーダ施術を受けたのは2016年の南インド、ケララ州でのことでした。
シヴァナンダヨガアシュラムというヨガの修行道場のような場所でアーユルヴェーダの初心者コースを受けた時に、
習っている生徒同士でオイルマッサージの練習をしましたが、その時が初めてでした。
実はその時は、勉強するのに必死で覚えることもたくさんあって、睡眠を削って宿題などしていたためか分かりませんが
オイルを塗って「わー、すごい気持ち良い」とか感じたような記憶がありません。
とにかくオイルまみれになりながら実習をしていたことと、
自分の引っ込み思案な性格から、お互いにモデルをし合うけれど「自分がされる側になってない」と言い出せずに
塗る方ばかりやっていたな、と今更ながら思い出されます。
今思えば「言えばいいのに!」あきれちゃいますが。

話が脱線しましたが、とにかくオイルの恩恵のような記憶は残っておらず、でもその時のいかにも風の性質が高まっていた自分に
オイルは良い働きをしていたのだろうな、と思い起こされます。
つまり、飛行機で9時間以上かけて移動し、頭の中は知識が一杯で常にぐるぐると考えて睡眠を削って勉強するといういかにも乾燥、思考過多な生活を送っていたからです。例えば12時過ぎまで起きて勉強して4時に起きるとかしてました。
普段は怠け者の私ですが、「インドに勉強しに来てるから」と何か強迫観念のような物に突き動かされたんでしょうか。
「おいおい、肩の力はいってるよ。ほら周りを見て、楽しんだら良いよ」とその時の自分に言ってあげたくなりますね。

風によくにた性質のヴァータドーシャは行動としては「乾燥」「冷たさ」「睡眠不足」「夜更かし」「移動のしすぎ」「運動のしすぎ」「怪我」「風に晒されること」「しゃべり過ぎ」 によって増加します。
また、心の動きとしては「興奮しすぎ」「五感の使いすぎ」「精神的なショック」などで増えます。
つまり、行動では「怪我」以外、心では、異文化に晒されるというショックもあったとすると増えない方がおかしい状態だったと言えます。
もともと集団行動が苦手な人間なので、一人の時間を作るためにも遅くまで一人で起きていることが必要だったのもあります。

また話がそれてゆき、長くなってしまってすみません。
とにかく、自覚しないまでもオイルが必要とされる状況であり、私自身の性格でした。

インドから帰ってまた1、2年後、家の近くで(と言っても車で片道3時間はかかるのですが)シローダーラーを受ける事の出来る美容室を見つけることとなります。
そこは岡山の吹屋という標高の高いところにある「彩紅」さんという美容室なんですが、
セラピストのもとこさんが素晴らしい方で心身共にリラックスした状態で受けたシローダーラーは本当に、本当に、心と身体に沁みました。
そのサロン自体も日本のマチュピチュと言われるような、ベンガラ屋根の建ち並ぶほんとうに小さな集落で自然の中にあり良い気に満ちた場です。

額に温かいオイルを垂らし続けるシローダーラーは私の額、頭皮を通って心の一番深いところへもそのぬくもりを届けてくれた様な気がします。

乾燥しきった大地に恵みの雨が降り、雨上がりに木や草木、獣や鳥たち、虫たちが喜びのコーラスを奏でるように私の心は解き放たれたのです。
それまでの私の思考は「~ねばならない」「~するのが常識」という感じで、世の中でこうなっているからこうしなければならないんだ、と凝り固まって窮屈でした。
人は健康なら働かなくてはならないし、近所の人に恥ずかしいから草は刈らなければならないというような考え方です。

でもそんなのその人の自由、勝手なんです。そうしたければしたら良いけど、したくなかったらしなくて良い。
また、人のこともその凝り固まった判断で観ることから解放されたと思います。

こういった内面の変化は徐々に訪れたものだと思いますが、オイルの持つ力が私を和らげ、ほっとさせてくれたのは本当です。
冒頭にアーユルヴェーダ体験3点マッサージを受けて下さったお客様に「グラウンディング効果もあります」と申し上げたように、
人の意見に惑わされ、あっちへふらふら、こっちへふらふらしていた私は地面につなぎ止められ、「ふぅ。」と一息吐いて「自由でいること」を選択しました。

これが私のオイルが与えてくれたと思う一つの恩恵です。
それ以外にも「痛みを取る」「こわばりを取る」「震えを取る」などたくさん良い効果があります。

冒頭にある画像は、インドでのパンチャカルマが終わった時の施術なども担当して下さったアーユルヴェーダ医の卵の先生方との記念写真です。
我ながら、よくオイルを吸収してピカピカしていると思うのでお目汚しに。

ぜひ、オイルを自分で自分を愛するように塗ってみて下さい。
そしてオイルを心と身体に吸収しに、ぜひいらしてくださいね。